【映画レビュー】「ディストラクション・ベイビーズ」感想

映画「ディストラクション・ベイビーズ」(2016)を観ました。私の感想です。

北原裕也(:菅田将暉)が狂っていく様

北原裕也(:菅田将暉)が狂っていく様子が印象的でした。最初はビビりな高校生で、仲間が殴られていても助けに行けないヘタレキャラだったのに、ケンカがめちゃくちゃ強い芦原泰良(:柳楽優弥)と行動を共にするようになり、急に気が大きくなりました。街中の女子高生に暴行を加えたり、車を盗んで大喜びしていました。最初は楽しんでいましたが、テレビでニュースを観て、自分がやった事の重大さに気づいたようです。さすがに焦り始めました。短絡的な性格ですね。後先を考えず、自分の欲望を叶える事を優先してしまう性格のようです。そこから気が狂ってしまい、自分に反抗する相手に「俺を舐めるな!」と叫んでいました。今まで舐められて生きてきたことがコンプレックスだったのでしょう。最終的には老人を暴行し、殺人に関与しても表情一つ変えない完全に狂った人間になってしまいました。北原裕也(:菅田将暉)は「何か新しい事をしたい!」と言ってたので、彼は自分の日常に退屈していたのでしょう。そんな中、キャバクラのボーイ達を一人でボコボコにする芦原泰良(:柳楽優弥)がカッコよく見えたのでしょう。規範に縛られない生き方をしている芦原泰良(:柳楽優弥)が美しく見えてしまったのでしょう。「何か新しい事をしたい!」とは起業家のような素晴らしい言葉ですが、彼が見つけた新しい事は暴力を振るうことでした。残念な選択です。

那奈(:小松菜奈)が狂っていく様

那奈(:小松菜奈)は最初、誘拐されたことに恐怖し泣き叫んでいました。北原裕也(:菅田将暉)に車のトランクの中に閉じ込められてしまいました。夏のトランクの中はとんでもない暑さでしょう。すさまじい恐怖と暑さによる身体的苦痛を感じているうちに、彼女の感情もおかしくなっていました。彼女は老人の首を締めて殺しました。そして、自らの暴走運転で衝突事故を引き起こしました。はじめは万引きがバレたくなくて監視カメラにも怯えていたキャバ嬢が、自ら衝突事故を起こすほどの精神状態になっていました。そして、衝突事故により弱った北原裕也(:菅田将暉)を車のドアで打ちつけて殺害しました。人間の感情は恐怖によってこれほどまでに変わるものなのか、と恐ろしさを感じました。

終始狂っていた主人公・芦原泰良(:柳楽優弥)

終始、主人公は狂気をにじませていたました。彼にとっては唯一、暴力を振るうことが生き甲斐だったのでしょう。人としての良心が消失しているようでした。血まみれになるまで殴られても全くひるまない主人公、、、。全く痛みを感じていないのでしょう。普通の人間なら血が出るまで殴られれば、泣き叫んでいるでしょう。しかし、主人公はあろうことか自分をボコボコにした人間を再び見つけ出し、襲いかかるということを繰り返しました。これには狂気を感じます。何が彼をそうさせたのでしょうか?両親がおらず、閉鎖的な田舎で育つと彼のようになってしまうのでしょうか?しかし、弟は良い子でした。失踪した兄を探し続け、ずっと心配していました。たった一人の家族を失うことが辛かったのでしょう。そこに兄弟愛を感じました。
芦原泰良(:柳楽優弥)はラストシーンでは警官を殺しました。これは何を伝えたいシーンだったのでしょうか?私は、今までは暴力を振るうことだけが楽しみだった芦原泰良(:柳楽優弥)が、警官を殺すことで殺人の楽しさに気づいてしまったというシーンを表現したかったのではないかと思いました。

まとめ

街で急に襲われたら走って逃げようと思う映画でした。愛媛県が舞台で、商店街や島の雰囲気がノスタルジックで良いと思いました。